数理モデルのための数式:任意の列の関数

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関数\(f\)を\(x\)に作用させる方法は,初等教育では\(f(x)\)と記載するように習っただろう.しかし,これは\(f_x\)と書いても構わない.逆に列(族)\(x\)の要素を\(x_i\)ではなく\(x(i)\)と定義しても構わない.\(f\)があって,\(x\)に依存して値が定まるということだから,添字にしても引数にしても同じことである.他にも,以下のように書くこともできる. x^f, x + f, fx, 加算は奇妙に思うだろうが,\(a + b\)は2つの値から一つの値を作る関数であるとみなすことが可能だからこのようにして問題がない.具体的に,\(f: \sR\to\sR\),\(x\in \sR\)として,\(x + f\)と同等な関数を\(g: \sR\times (\sR\to\sR) \to \sR\)と定義して, g(x, f) = f(x) と定義すればよいのである.ただし,普通加算は交換法則を前提とするからこのようには使わない.\(fx\)の形は,線形代数で馴染み深いだろう.例えば, f = A\ (\in\sR^{n\times n}), x\in \sR \Rightarrow f(x) = Ax とかくことが多い.乗法は交換できないという認識であるから,関数を適用するような場合は乗法記号(省略されている)を用いるのが良いだろう.

たまに,\(x_{y_k}\)という多重添字があったりするが,これは\(k\mapsto y_k \mapsto x_{y_k}\)の合成変換と同じことだから,以下のいずれかで書くことも可能である. x_{y(k)}, f_k\quad (f=x\circ y) 多重添字は見づらいので(老眼だとマジで見えない.もしもしでも見えないじゃん.),可能なら避けるべきだと私は思う.