MS WORD を使う場合に問題はいくつかあります.その中でも,私は世界共通で使われるようなものを特定の営利団体が作っていることに疑問を感じます.
以下は私にとって文書を書くための Software に求める必要条件です.
Latex と MSWORD,LibreOfficeを試してみましたが,2018年現在これらの必要条件を満たすものがMS WORDしかないと思っていましたが,それは間違いでした.端的に Latex を使うことを勧めます.近年の自然言語処理技術の発達はめざましく,GUI に頼る必要がなくなってきています.それよりも,文書に意味構造 (Semantics) をもたせることができる仕組みを利用することが今後の 知識表現の発展に必要と考えます.MS Word は学位論文等長大な文書を作るときに不安定となり,その対処に多くの時間が割かれました.お金を払い,作業時間を奪われ,世界の知識ネットワーク構築になんの役にも立たないものを使う必要はないと思います.以上の背景を持ちながらも使わなければならない場面もありますので,使用上における勧めを記載しておきます.
こんな哲学を語りたくないですが,払う必要のない資金を払い続けている現状は,誰かが指摘しなければ改善されない.平等や多様性が謳われるというのに,初等教育から徹底して Microsoft Office の使い方を教わっている現状は健全ではないと思います.Windows にしてもそうです.
SEQ FIELD,図表番号の挿入等番号を入れる方法がいくつかありますが,これらは相互参照を行う際にうまく機能しません.Labelを含めないで相互参照を行う方法に頭を悩ませた方は多いのではないでしょうか.ListNum Fieldを用いれば数字だけを参照することができます.また,Microsoftは公式にSEQ FILEDはListNum Filedの下位互換だといっていまして,ListNum の利用を推奨しています.図表番号の挿入自体はSEQ Fieldを用いて実装されていていますが,使わないほうが良いです.
テキストボックスの方が2010年以降有名になってきておりこちらを用いることを勧める情報が多いですが,テキストボックスにはListNum field が更新されないという不具合があるので,図表番号を含める場合,Layout Boxを使うしか選択肢がないです.
office 2013以降ならば数式の編集には標準搭載されているものを使うといいです.標準のものでない場合数式番号を振るのに苦労します.
Office 標準の数式エディタには最後に#を付けることで式番号用の文字を振るための機能があります.なぜこんな一般性の低い仕様になっているのかと最初使うのをためらうが,良くできています.数式の最後に#{ListNum eq} のように記入しReturn keyを押してみるといいです.
ListNum Filedに装飾を付けるのに用いる,ListNum Filed専用の機能です.ここで注意してもらいたいのが ”アウトライン定義の変更” のような機能はなく常に新規作成となります.また,リストスタイルの適用や作成は箇条書きになってしまうため式番号等を振る用途には用いることができない点にも注意してください.
Office 365はSVGに対応していて,Inkscape等のデータをそのまま利用できます.MS Office を使うのならば,月1200円かかりますが,アップデートが期待できなくなるパッケージ版よりこちらをを用いることを勧めます.
LayoutBoxにはアンカーと呼ばれる機能が付いていて,そのLyaoutBoxが文書上のどこに対応するかを段落単位で指定することができます.どうして段落単位なのか理解に苦しみますが,実用上では1段落に対して図や表は一つに対応させる文書の方が好ましくそこまでこの仕様に困ることはないです.
Microsoft Officeは想定外の使われ方をすると不安定になるように見受けられます.例えばテキストボックスの中にSEQ Fieldや数式を配置すると保存にやたら時間がかかったり頻繁に動作停止します.できるだけ推奨される使い方を目指したほうが安定性,操作性の両方においてより良い機能を発揮します.