帰国して,次の日,日本の厳しさを思い出す.電気とガスが停止している.自動支払いをしたはずだが,どうやら契約直後だけは紙で支払わなければならなかったようで不在の間に停止したようだ.再開を申請しようと試みるが,ガスは昼間の電話申請が必要でどうにもならない.電気もよくわからん電話対応でひたすら時間がかかる.水風呂で耐えた.
大学に行き,最近あった停電の復旧作業,電気系統の安全確認を行う.インターネットへ接続する.出張の報告書を書く.通過した駅の名前を一つ一つ確認して入力する.仕事の時間が減り割に合わないので特急券や海外の交通機関は申請しないで自腹で払う.そして飛行機の登場証明書が必要だ.JALのページに行く.
JAlへ登場証明書を発行してもらおうと思い,Webから申請を試みること30分,何度やっても航空券番号を認識しない.番号が見つからないとだけ言ってくる.調べるとどうもブラウザのセキュリティ強度が高いと失敗するらしいから,ブラウザの設定,クッキーの履歴を確認したが航空券を認識しない.開発者画面からエラーメッセージも確認した.JALのサイトは信用ならないから開発者目線で丁寧に確認する。一向に進まない.更に調べて国際線の場合は別ページから申請しなければらないことが、うっすらと判明した。そしてJALのメンバーに登録していない私は、郵送で紙が送られるため10日間かかるらしい.なんでメンバーじゃ無いと紙の郵送になるのだ。本当にどうやったらそこまで非生産的なシステムを作れるのか,わからない.
それから物品を購入する.通販サイトを周り,業者へ発注する.業者が作成する見積書が,Invoice制度に対応した,適格証明書の基準をみたしているか,目を皿にして確認する.大学のシステムへ発注許可を依頼し,許可が来るのをまつ.許可通知を受け取ってから業者へ発注する.これから発注した品を一つずつ,手入力で仕様を入力する作業が待っている.手が痛い.資産管理シールが溜まってきた.これを資産へ貼る.貼る.ぺたぺた.こんなことで一日が終わる.入試業務で16時間警備員やらされることもあるが,それよりは研究設備を相手にしているだけマシかな.研究者に警備員てどういうことだよ,警備のプロ居るでしょう.私なんかがやったって,絶対不審者見落とす。
英国の滞在先の大学だと,電気系統の確認は専門のスタッフがおこなてくれる.電源タップからACアダプターまですべて確認してくれる.安心して使うことができた.注文は専属のエンジニアが良さそうな品を選んでくれて次の日には届けてくれる.発注許可はエンジニアが取ってくれる.うぅ,通信プロトコルまで教えてくれて,研究室のWifiの設定もやってくれる。ありがたかった.5週間,本当にありがとう.日本にも昔技術者がいたんだけど,どうしたんだろう.日本では教授が自分で研究室にルータやWifiアダプタを用意し、説明書と格闘する。
この国の学生,教員,事務員の能力は非常に高いと私は思う.どんなに安い給料でも必死にサポートしてくれる.それでもシステムがそれを活かすようにできていない.これは愚痴ではない.私みたいな業績の低い研究者が言ったって耳貸さないだろうが,それでもだれかが言わなければ,改善しないからここに記す.この国はノーベル賞取るような人でも,ちまちま入力作業をしているのだ.そうだ思い出した,ノーベル賞取った人がさんざん言っても改善しなかったか.いやいや,こんなに厳しかったっけ・・・.助教と学生に雑用はやらせておけばなんとかなるという仕組みなのだ.丁稚奉公の精神を私は大変良いと思うけど,昔と違って,助教は少子化で定員割れして,学生はインターンで大学に来ないのだから,仕組みを変えなければ維持できない.
勘違いしないで欲しいところは、大学教員が偉いので、敬うべきだ、ということを言っているわけではないということだ。国の未来のために、然るべき人材を然るべき場所へ使わなければ、とてもまずい状況に今この国は来ている、そしてそれができていないということだ。人には得意な場所とそうじゃない場所がある。例えば私に会計手続きは向いてない。集中すれば全て忘れ財布はすぐに落とす。誰が優れているかなんか、寿命がきて灰になる人間には意味がない。愛す人々のために適性を考えた時に研究をやらなければならないのだ。学歴で威張っている不毛な連中とは違うのだ。そもそも学歴で威張っている連中がいるから、サポートしてくれなくなるのだ。その高学歴で尊大や連中には、忙しい時にゴミ箱取り替えてくれるだけで涙流す瞬間がいづれくるだろう。色々考え直さなければならない。