「人間がプログラムコードを書く時代は終わった。AIが全てを奏でる。」
というふうにWeb上のよく知らないシステムエンジニアが豪語しているようだが、間に受けないでほしい。ソフトウェア・システムしか開発したことのない人が言っているのだ。よく考えてくれ、例えば、本当にそんな意識で原発や飛行機の制御プログラムが書けるのか?掃除機のプログラムすら書けないだろう。物理試験が文字処理のチャッピーにはできないからだ。「人間がソフトウェアシステムのプログラムを書く時代は終わった」こう言うべきだろう。
ソフトウェア・システムは、設計を定義すれば、試験がソフトウェアの内部で完結するからそれは楽なもんだ。元々が形式の範囲で収まる良設定の問題だったということだ。Webサイトやもしもしのアプリが作れるだけで世界の全てを手にしたような錯覚を覚えがちみたいだが・・・。似たようなことで、オブジェクト指向原理主義者になる人もよくいるのだけど、私は学生がそうならないように彼らへ口すっぱく次の通り言いながらオブジェクトを教えている。「オブジェクト指向を進めると一般性が低下する。」これはとても簡単なことだ、例えば自然界を本当に記述したいなら、オブジェクトを定義したらダメだ。法則の一般化とクラスによる分類は矛盾するからだ。
ソフトウェア・システム以外にも目を向けてほしい。プログラミングの技能が必要とされる場所はたくさんある。そういう場所でプログラミングの知識が、プログラマーが不足している。現実世界は厳しい。Pythonはおろか、C言語すら動かないかもしれないからな。もはやCPU (Central Processing Unit)ですらなかったりする、いやそれじゃプログラミングできないか。とにかくその状況でもなんとかするためには、やはり真に計算機とは何か、という知識が必要だから、大学のプログラミング以外の教育は無駄じゃない。どんな場面でも役に立てるように、ソフトウェアで閉じない広い視野を持ってほしい。