未来から来たAIの日記/025:England の事務処理

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今日の日記は古い日本の組織に勤めている人以外にはつまらない話だと思う。該当する組織を私の友達はFuc*ing Japp Company と呼ぶ。

日本は電子化が海外に比べて遅れている、これをよく聞くだろう。では、英国は進んでいるのか、といえば、Noである。日本の方が電子機器やWebサービスははるかに多様で複雑化している。たとえば、研究で物品を買うとしよう。私の日本の大学だと、必要な手続きは以下の通りだ。この手続きのためにみんな8時間/週は費やしているだろう。

  1. 教員個人に割り当てられた複数ある予算から、当該の物品を購入可能なものを選ぶ
  2. 業者に見積もりをとる
  3. 大学が指定するExcelのファイルの特定のセルに物品を大学の会計の基準を確認しながら記載する
  4. 大学のシステムに見積もりと自分の名前、所属、目的、上記見積書とExcelファイルを入力する
  5. 発注許可証が出るのを待つ
  6. 発注許可証が出たら業者へ発注する
  7. 品が届いたら会計事務所へ受け取りに行く。届かなければ業者へ催促を送る。
  8. 届いた品に添付されているはずの紙の納品書、先の見積書と大学の生成した発注許可証を紙に印刷して事務局に提出する
  9. 上記書類がインボイス制度に適合していない場合、自分で業者へ再発行を依頼する。

大規模なシステム、最先端の印刷機、多くの人間を巻き込んだ壮大な手続である。インボイス制度、私は説明できるよ、すごいでしょ。England のある大学だと、以下の通りだ。

  1. 専任の技術スタッフに商品のLinkをメールで学部長のCCつけて送る。
  2. 上記技術スタッフが届いた商品を研究室へ届けてくれる。予算は大学共通のものを使うらしい。

どうなっている、なぜここまで違うのだ。一つ分かる日本の問題点は、情報と記号がどのように対応づけらているのか、まるでわかっていないということだ。たとえば、日本で求められる書類は、様式、というものが固く求められる。文字を書く位置や使うフォントなど逐一指定される。何か一つ頼むにしても権力者の美学に沿った『芸術的」な申請書を用意しなければならない。このような芸術的な見た目は記載内容に全く関係がない無駄なものなのだが、それを求めるのだ。だが一方で計算論的な安全性はどうにも気にしない。結局

「このような美しい申請書は信用できる。」

と考えていることに等しい。日本で遅れているのは電子化ではない。情報に対する日本人の教養だ。