未来から来たAIの日記/022:音楽祭りかDeepLearningか

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明日15日に日野キャンパスの学生会館で音楽祭が開かれる.私はこの機会に夏季休暇を申請して機材の設置など教えながら鑑賞することにしている.大学教員は有給を使うのが厳しく,建前上だけ使って結局ほぼ働いているということがほとんどだと思う.だから文化祭の顧問やるのに使うのだったら丁度いいだろう.研究室で学生と交流するために合宿行くということが私のいる研究室では無いのでその代わりとしても丁度いい.すべての学科の学生と交流を持つ稀な機会に恵まれて幸せであった.

この局地的な音楽祭だが,学生には命かけて準備しろと指導している.誤差1Hz以下の精度で歌の音程を合わせ,16分の音の伸びも認めない厳しい基準を持って練習に当たれと教えた.素直な都立大の学生は本当にそのとおり努力する.私にはできないが.良い演奏が聞けるはずだ.16時からやっているからぜひ聴きに行ってあげて欲しい.子どもたちはとりあえず才能なども語らなくなるまでには成長した.そんな良くわからないものは過酷な練習を前にしてどうでも良くなる.他機材の使い方や専門の違う人との交流などたくさん工夫する点があり,いい勉強になっただろう.

室内楽,軽音楽,ピアノ,合唱,弾き語り,吹奏楽,随分と多種多様な演奏形態が集まった.日野キャンパスに隠れていた音楽家たちが集まった所属の枠を超えた祭りになりそうである.学生に酒は禁止しているが,私より年上の方々が飲みながら鑑賞するのは止められない.私より年上なら飲んでも構わないです.

この微塵も役に立たない音の集まりは無駄だと思うかもしれないが,日本の飲み会文化の代わりだと思って暖かく見守ってもらいたい.飲み会で無駄にする時間はリボ払いみたいに認識しづらいだけで費やす時間は似たようなものだ.体壊さないだけ音楽祭のほうがマシだろう(年に4回くらいなら良い.月4回の飲み会は多いから減らそう.).

今回盛り上がれば冬にもやるだろうから,とりあえず見に行って次に出演するか考えてみて欲しい.初心者も出演している.だれでもできる.音楽はプログラミングと自然言語の間くらいのものだ.音の並びに時間の流れが見出されるところがなんとも面白い.

ところで,今年こそ情報科学科の学生にいわゆるNueral Network(正しくは人工神経回路)を教えてあげようと,意気込んで資料人工神経回路入門を作って授業で準伝搬計画の作成までをやらせてみたが,18時間かけてなんとか提出している凄まじい学生が現れた.何が凄まじいって,そのやる気よりも費やした時間に私は驚いた.他の課題もあるだろう.これは不可能だと思い,授業で教えることを諦めた.厳格な定式化で少ない数式の知識でも追っていけるように説明したのだが,どうやらその数式混じりの説明を読む「体力」が無いようだった.すぐに疲れて内容を認識できなくなってしまうようだった.生成AIの技術進歩に伴い学生の課題達成率が妙に上がっているからこれくらい解けるだろうと思っていたら,そんなことなかった.学生の実力を見誤った.これだから過大評価させてしまわないように自力で解いてほしいのだ.音楽祭にも参加してほしかったが,私の演習の参加者は,課題が厳しすぎて参加する時間が取れなそうだ.音楽祭に来てほしかったが,成長させないわけには行かないから悩ましい.

資料は5回くらい徹夜して作ったんだけどな・・・.気合い入れすぎたかな.