C++入門/環境構築

柴田祐樹,東京都立大学,情報科学科
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環境について,著者の柴田は Linux を強く勧める.Windows でも,Mac でもなく Linux である.具体的には初心者ならば Linux の中でも Ubuntu の利用を強く勧める.柴田は Windows を 18-27歳まで使ってきたが,それは単に周りが使っていたからだ.企業秘密であるのか仕組みのわからないことが多く,知見が増えるほどその不便さに不満が募り続けていた.自分が一般向けOSに適した人間ではすでに無くなっていて,一般向けのものに不満を持っても仕方がないと思ってから,Linux への移行を決意した.Windows でしか使えないソフトウェアを幾つも持っていたが,それらを諦めて,Linux で公私ともに過ごしていくには多くの調査が必要であった.以下に柴田が現在使っている環境を示す.参考にされたい.

柴田祐樹の環境

Linux 以外を使いたい場合,それでもShellとしてBashを使うことを勧める.統合開発環境の利用を進めている書籍もあるが,それは勧めない.統合開発環境は大体 OS のような機能が備わっているが,その使い方を覚える労力はOSの使い方を覚える労力に匹敵する.それなら,素直にOSの使い方を覚えたほうが良い.Bash はOSを操作するためのソフトウェアとして近年広まっている.情報系の職業に付くなら使えるようになっておいた方が良いと著者は思う.

Mac は Linux と同じ系統の OS である.Mac には Bash が標準で用意されていて,初期状態で端末(Terminal, ターミナル)と呼ばれるソフトウェアを開けば Bash が起動するはずである.

Windows について,事情が複雑である.慣れた利用者はenv.pdf などを参考に環境を構築するとよいが,なれていないものは,インストールしたばかりの Windows の状態から WSL を入れて何かしらコンパイルするまでの様子を WSL.mp4 に記録してあるので,時間に余裕があるならこちらを見られると良いだろう.これら資料は Windows Subsystem for Linux の導入方法について述べたものであり,2022年くらいまでは参照可能な資料であると考えている.

Windows subsystem for Linux (WSL) と呼ばれる近年の Windows の機能は便利であるが,都立大の実験室では使うことができない.実験室と同じ環境を構築したい場合はinit-msys2.mp4 に環境構築方法が,Compile-with-msys2.mp4 にコンパイル方法までの様子が記録されている.こちらを参考にされても良い.ただ,余裕があるならやはり将来のために WSL の利用を検討されたい.

テキストエディタについてはVisual Studio Codeを勧める.